関西学院創立百周年(1989年平成元年)に、関学文芸部OBOGにより『關學文藝 100周年記念特別号』が発行されました。これを契機として翌年、関学文芸OB会は『別冊 關學文藝』を創刊。以後OB以外の執筆者にも参加頂き、年2回の発行を続け、2026年5月15日に第72号を発行しました。 編集:浅田厚美 発行者=伊奈忠彦(同人代表)

2016年11月20日日曜日

別冊關學文藝 第五十三号

 

 
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2016年平成28年11月1日発行

発行人 松村信人   編集人   浅田厚美
  
発行所 「別冊關學文藝」事務局(澪標 内)

表紙(石阪春生) カット(柴田 健)




創作  
フランス刺繍              (浅田厚美)
落下する夕暮               (名村 峻) 
クリーニング・ウォー           (美馬 翔)
英国エリザベス女王の和風晩餐会               (多治川二郎)
真実の友情               (多治川二郎)       
ゴースト                  (石川憲三)
         
  
詩
椋鳥の怨嗟               (山添孤鹿) 
ごみくず                   (中嶋康雄)
シナモンスティック             (中嶋康雄) 
火傷                        (中嶋康雄)
 リュウの行方               (松村信人)

 
ブログ「文学逍遥 伊奈文庫」再録(抄)(第13回)(伊奈遊子(ゆうし))


ノンフィクション
下手の横好き ~老いたる野球少年の思い出   (和田浩明)


エッセイ
五輪眼鏡                    (塩谷成子)
新・街談録                (森岡久元)
 
文芸トピックス
  
編集後記  浅田厚美  松村信
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神戸新聞(2016年11月26日土曜日)掲載

同人誌評

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 現実でも小説でもかけがえのない人との出会いが、その人の人生を
大きく変える。

「別冊關學文藝」53号:浅田厚美「フランス刺繍」。工務店社長の
龍平、千代夫妻が大阪高島屋の「フランス刺繍展」を見たことが
きっかけに、千代は刺繍に興味を持ち、体験教室などを受講。
千代には刺繍の才能があり、〈集中して集中した先に〉何かが
見えるという八木沢先生の見識を信じて龍平は千代を正式に
刺繍教室に入門させる。
 ホテルの講座を卒業した彼女は、18世紀のウイーンの宮廷に
花開いた刺繍「プチ・ポアン」の愛好者が集う芦屋のサロンに通い、
やがて千代の刺繍は一目置かれる。龍平は千代が刺繍に集中
できるように、資材置場の刺繍部屋への改装や高校教師の三男
崇(たかし)の引きこもりの問題の解決などに奔走する。またフラ
ンスの刺繍学校に短期留学する八木沢先生に同行する千代は、
関西空港まで送った龍平に、「お父さんありがとうの言葉を残して
出発。龍平は深い満足感に浸り、パリで刺繍に専念する千代を思
い浮かべ、どんな困難をも乗り切れると思うー。淡い想いを秘めて
生きた女と、無理やり忘れた男の生きざまを巧みに描いた印象に残
る秀作だ。

(野元正・ 作家)

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