令和3年1月1日から」1月19日まで10回に渡って
尾道新聞に 森岡久元氏の歴史小説「尾道の湊座」が
連載されました。
『別冊關學文藝』第六十一号掲載作品を
加筆され、 新しい写真も添えられています。
関西学院創立百周年(1989年平成元年)に、關學文藝部OBにより『關學文藝 100周年記念特別号』が発行されました。これを契機として、翌年『別冊 關學文藝』が誕生。以後年2回の発行を続け、関学文藝部OB以外の同人・会員も加わり現在61号を発行。 発行者=伊奈忠彦(同人代表)
関西学院創立百周年(1989年平成元年)に、關學文藝部OBにより『關學文藝 100周年記念特別号』が発行されました。これを契機として、翌年『別冊 關學文藝』が誕生。以後年2回の発行を続け、関学文藝部OB以外の同人・会員も加わり現在61号を発行。 発行者=伊奈忠彦(同人代表)
大阪文学学校「小説同人誌評」細見和之
『別冊關學文藝』第61号掲載の、浅田厚美
「花火の島」は、十一歳年少の男性にどんどん
引き寄せられてゆく四十七歳の女性の心理を
描いている。
ある日「私」は職場の同僚の「土屋さん」から
花火大会に誘われる。チケットが余っているか
らということだったが、その花火大会に出かけ
てから、「私」はどんどん土屋さんにはまって
ゆく。ラインを送り続けたり、職場でケーキの
差し入れをしたり、駅で待ち伏せしたり。それ
こそストーカーのようになってしまうのだ。土
屋さんはその後、遠い職場に転出してゆく。
どちらにも家族がある身で、読んでいてはら
はらさせられるのだが、女性にかぎらず恋愛
心理の押しとどめようのない動きがよく描か
れている。
神戸新聞同人誌評(野元正:作家)
小説は微妙に揺れる人の心の裡(うち)を描く。
「別冊關學文藝」61 浅田厚美「花火の島」。
私立大学附属小学部事務員の私は47歳。人妻。
中学部の同僚で11歳年下の妻子ある土屋に家
から車で1時間ほどの島で行われる花火大会に
誘われる。花火が大好きな私は迷った末、彼の
誘いを受ける。
花火は見応えがあった。2人は次があるなら同
行を約束。以後、私は頻繁にラインを送るが、土
屋からの返信は間遠に。思いが募り、私はストー
カーまがいの行為を繰り返す。だが翌年、彼は黙
って九州の新設校に転勤してしまう。あれから3年、
私は独りで2度目の花火大会へ行ったが当然、土
屋は来ない。恋愛感情が絡む2人の思いを天秤に
喩(たと)え微妙な心理描写が秀逸だ。
同誌の美馬翔「キャベツ畑のサーガ第三章ー花
野由美の思い出」は弱小劇団を中堅にまで育てた
女性を、同僚の視点描いた秀作。
花火の島 浅田厚美
キャベツ畑のサーガ 第三章 美馬 翔
ー花野由美の思い出ー
柚子の胸懐 一藁英一
砂時計 麻風 舞
輪廻の産声 知鬼遊仁
尾道の湊座 森岡久元
(詩)
平城京曼珠沙華の乱 山添孤鹿
ー大極殿院南門復元工事中の幻想ー
パン / 焼き鳥 / けはい 中嶋康夫
(文学通信たまづさ)
『別冊關學文藝』第六十一号に寄せて 福井貞孝
『文学雑誌』休刊に寄せて 竹谷正
(エッセイ)
天神堂甲梅の講談日記(三) 天神堂甲梅
山寺便り ーもんしろ蝶ー 岡村文夫
「はい、サービスカウンターでございます」
桂 未希
松本道弘・篤弘兄弟・半生紀 松本篤弘
ー「文武両道を往くー
(紀行)
カンボジアをゆく 落山泰彦
インド・ネパールをゆく 落山泰彦
(ブログ)
「文学逍遥 伊奈文庫」再録(抄)第21回
伊奈遊子
(文芸トピックス)
(編集後記) 浅田厚美 伊奈遊子
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神戸新聞同人誌評
2臼NG
021年令和3年1月29日