発行日: 2021年 令和3年 6月16日
2021年7月7日水曜日
石たちの棲む風景ー物語に出会う旅 別冊關學文藝 同人 落山泰彦 最新刊
今回のこの本でもう八冊になるのは、ここまで熱中で
きたとは、当初は本人もまるで思っていなかったろう。そ
れにしても文字表現の世界は面白い。こうして過ぎ去りゆ
く日々にあって、折々思いつめた思念の数々が、そのまん
まで残されていくのだから。いつか肉体は一過性のうちに
あってかならず最後を迎えるが、刻み込まれた文字は残
る。千年前の「源氏物語」の紫式部が書きつけたまんまの
かたちで、今、私たちが読めるように。 (倉橋健一)
2021年7月1日木曜日
2021年令和3年6月25日(金)朝刊「神戸新聞同人誌評」でとりあげられました。
添付記事はクリックすると少し大きく見えます
『別冊關學文藝』第62号。浅田厚美「天女の夏」。農村地帯の村長の孫である高校生のわたしは、今年の祭りで天女役に選ばれたが、おとなしい性格な上、地味な顔立ちで気乗りしない。村から1時間かけて通う高校には数学教諭の川村が赴任し、「1+1=2にはならない世界がある」と話す。無限の可能性を秘めた数学の世界と、自分の暮らす閉鎖的な環境を比べ、何かをつかめそうでつかめないもどかしさ、揺れ動く高校生の心理をみずみずしく書いた秀作。 (葉山ほずみ・作家)
なお同人誌評には同人誌『文の鳥』掲載の「弟切草(おとぎりそう)」についても触れられていますが、作者の河内隆雨(こうちりゅうう)氏は、長年『別冊關學文藝』の購読会員にもなっていただいています。引用して紹介させていただきます。
河内隆雨の「弟切草」は、祖谷でケガをした大平が平家の隠れ里で過ごした20日間を描く。現代の浦島太郎のような歴史ファンタジー。設定が面白いミステリーとしても引き込まれた。(葉山ほずみ・作家)
※ 河内隆雨氏は、同人誌『あべの文学』に発表された小説「隣人」で、2018年、第12回全国同人雑誌優秀賞を受賞された作家です。
※ また「神戸新聞同人誌評」執筆の葉山ほずみ氏は、同人誌『八月の群れ』68号に掲載された小説「夜を漕ぐ」で2020年第14回神戸エルマール文学賞を受賞された作家です。
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