関西学院創立百周年(1989年平成元年)に、關學文藝部OBにより『關學文藝 100周年記念特別号』が発行されました。これを契機として、翌年『別冊 關學文藝』が誕生。以後年2回の発行を続け、関学文藝部OB以外の同人・会員も加わり、現在(令和5年11月10日)第67号を発行。 編集:浅田厚美 発行者=伊奈忠彦(同人代表)

2019年6月14日金曜日

うそっぱちかもしれないが 中嶋康雄詩集
























(澪標) より
2019年令和元年6月10日発行

〘目次〙 
(注)目次には、それぞれの詩が掲載された『別冊關學文藝』
   の号数は書かれていませんが、以下記しておきます。
   
Ⅰ 
枇杷の庭   (第五十四号)
水飲み鳥   (第五十四号)
こぼれ地蔵  (第五十七号)
九丁目       (第四十八号)
光る自動販売機の夜のこと   (第五十一号)
ツェツェ人  (第五十号)
コンビニエンス・ストアと卵  (第四十六号)
沼の家    (第五十二号)
狭い道    (第五十六号)
砂日和    (第四十九号)
少ないカエル (第四十九号)
シナモンスティック   (第五十三号)
ごみくず   (第五十三号)
カラス    (第五十二号)
砂が屋根に上がる    (第四十九号)
うそっぱち  (第五十四号)


ゴキブリの背中       (第四十八号)
オレンジドクアマガエルの憂鬱(第四十七号)


膿屋   (第五十六号)
蚊柱   (第五十一号)
路地   (第五十四号)
面屋   (第五十五号)
白蝶   (第五十二号)
火傷   (第五十三号)
粉飾   (第五十六号)
駅舎   (第五十七号)
拍手   (第五十五号)
ガム   (第五十七号)
予熱   (第五十二号)
徒労   (第五十二号)

あとがき



うそっぱちかもしれないが
   (本の帯)
中嶋康雄さんの詩の魅力はなんといっても読み手を、
あれよあれよというまにあっけないほど鮮やかに自分
の世界に引きずり込んでくれることだ。言葉をかえれ
ばそれだけ物語性があるということだろう。これこそ
は得難いこの詩人固有の資質といってよい。詩のなか
で詩を増殖させていくから面白い。中嶋康雄さんは観
念的な材料を選ばない。日常の生活の断片をつかまえ
ながら、日常性をいい意味の考える行為(=思考)と
ミックスさせて張りつめた叙事詩的抒情をつくり出し
ていく。数少ない詩人といえよう。(たかとう匡子)