関西学院創立百周年(1989年平成元年)に、關學文藝部OBにより『關學文藝 100周年記念特別号』が発行されました。これを契機として、翌年『別冊 關學文藝』が誕生、文藝部OB以外の同人・会員も加わり現在に到っています。※発行所=「別冊關學文藝」事務局・第41号より澪標内            入力=伊奈忠彦 『別冊關學文藝』代表

2012年10月22日月曜日

別冊關學文藝 第四十五号
































 
2012年平成24年11月5日発行

編集人 浅田厚美  発行人 松村信人

発行所 「別冊關學文藝」事務局(澪標 内)

表紙(石阪春生) カット(柴田 健)


創作
夫婦の来歴(大谷晃一)
日々は静かに発酵し(名村峻)
誰もしらない(浅田厚美)
秦准遊廓細見ー旧院の妓(その三)( 森岡久元)

書評
思考する読書(VOL.5)(今西富幸)


それにつけても(海部洋三)
鷽替え神事空夢(山添孤鹿) 
認定(松村信人)              


追悼  山口毅さん
弔辞(海部洋三)
芸者ワルツの山口さん(川村文英)
恐山(再録)(山口毅)
発表作品一覧

エッセイ
わが山口毅 金のトルソー(塩谷成子)
ほんとに、オリンピック(和田浩明)

ブログ
文学逍遥 伊奈文庫(第5回)(伊奈遊子)

文芸トピックス
(「三田文学」「週刊読書人」同人雑誌評)
☆第6回エルマール文学賞決定 
 受賞作浅田厚美「はづかし病」
(「別冊關學文藝第42号」掲載)


編集後記  浅田厚美  松村信人
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下記の添付ファイルは、

ブログ『柳葉魚庵だより』より。

『別冊關學文藝』第四十五号について紹介していただきました。

 
太極拳の師・伊奈遊子さんから別冊「關學文藝第四十五号」が届きました。
 今回も伊奈さんはブログ「文学逍遥伊奈文庫」再録を載せられていて、「このブログは六十七歳の僕が、関学文芸部に居た十八歳の頃に帰るためのリハビリテーションのようなもの・・」とありますが、私も青春時代にアーカイブするような不思議な感覚で読ませていただきました。
 関学の文化祭の講演に安部公房氏を招いた時の思い出や小島輝正氏を囲む座談会で小松左京氏と同席した思い出の話など、まさに当時の文学青年たちの熱い雰囲気が伝わってくるようで興味深く拝読しました。また、終戦記念日に大佛次郎と高見順の「終戦日記」を取りだして二つを読み比べられたり、作家の番組を丹念に録画され、その感想を書かれていたり、さまざまなことを実に丹念に記憶され、記録されていることに感心しました。

 また、今号には、同じ広告代理店に勤務されていた名村峻氏の小説「日々は静かに発酵し・・」が掲載されていました。
 小説は、広告代理店のクリエーターであった氏が、仕事上知り合い、個人的にも親交を深めていったある化粧品・トイレタリーメーカーの宣伝課長の晩年に接した日々が懐かしさとある慙愧の思いをこめて綴られています。
 病名は明かされていませんが、死が遠くない事を感じていたと思われる宣伝課長の旅の誘いに丹念に付きあいながらも、その人生の最後に思い出を残そうとする心中に気づくことのなかった日々が、著者の中で文字通り「静かに発酵してくる」様を静かに描いている味わい深い作品だと思いました。

神様が会わせた人と秋過ごす
 








2012年8月30日木曜日

尾道物語 旅愁篇 (森岡久元)


発行所=澪標(みおつくし)
2012年平成24年8月発行
著者は『別冊關學文藝』『姫路文学』

『酩酊船』同人
 

【 初 出 誌 一 覧】

三原まで
姫路文学』第一二一号 (平成21年2月

二月の岬
『酩酊船』第二七集(平成24年4月)

あびこ物語
『別冊關學文藝』第三三号(平成18年11月)

隠れ里の記
『姫路文学』第一二五号(平成24年5月)


富士見橋の理髪店
『姫路文学』第一二四号(平成23年8月)


尾道のラーメン
『別冊關學文藝』第三〇号(平成17年4月)


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2012年9月6日(木)

山陽日日新聞に本書が取り上げられ

紹介されました。


森岡久元さん 離れて半世紀

 尾道への望郷の念

 小説短編集『尾道旅愁編』を

 

幼少期から高校卒業まで尾道で過ごした小説家、森岡久元さん(71)が11冊目となる短編集『尾道物語旅愁篇』を澪標(大阪市)から発刊した。これまで古里尾道を舞台に紡いできた純情篇、幻想篇、姉妹編に次ぐ「尾道物語」シリーズで、「古里を出て50年以上経つが、今も心惹かれる町であり、何かいつも尾道から旅をしている気分。その心情を書き表してみました」と話している。
                                      [幾野伝]

 森岡さんは母親の古里尾道に4歳から暮らし、久保小から土堂小、長江中、尾道商業高校に学んだ。在学当時、活発だった文芸部の同人誌に小説を載せたのが始まり。関西学院大学に進み、同人誌「姫路文学」に参画、熱心に創作したが卒業と同時に就職、その後起業し経営者になったことから、長年筆を休めていた。
 休刊していた「姫路文学」が20年近く前に復刊したことを契機に、書くことへの情熱が再び湧き上がり、コンピュータ関連部品の販売会社のトップを務めながら執筆し、同人誌への寄稿を続けてきた。

 江戸・天明期を代表する文人、大田南畝(おおた・なんぽ)の生き様を追う一方で、尾道での少年から青年期の体験、思い出をもとに書いた『尾道渡船場かいわい』が2000年の第7回神戸ナビール文学賞を受賞。その後も、『ビリヤードわくわく亭』や『尾道物語・純情篇』、『サンカンペンの壷』、『尾道物語・幻想篇』、『恋ヶ窪』、『十八歳の旅日記』と1、2年に1冊づつコンスタントに生み出している。
 数年前に会社経営から退き、現在は執筆業に専念し、「姫路文学」と「別冊関学文芸」、「酪酎船」の各同人として作品を発表。半生記について今年6月には尾道市立大学で特別講義をした。

 「人生というドラマの深淵を探る珠玉の短篇集」と紹介されている新刊『尾道物語旅愁篇』は、「三原まで」▽「父の紀行『二月の岬』」▽「あびこ物語」▽「隠れ里の記」▽「富士見橋の理髪店」▽「尾道のラーメン」の短篇6作品を収めた。いずれも2005年から今年春にかけて、各同人誌で初出ししたもの。
 
 『二月の旅』は、病死した父親が45年前の二十歳の時に体験した四国周遊と、その旅で出合った女達との交友を中心に書き残していた日記風の紀行文を、現在の息子が読んでその足跡を訪ね歩く話。
 帯には「二月の岬」に寄せて、と関西学院大学名誉教授で詩人の山田武雄さんが「感傷を描きながら、これは作者の感傷ではなく、文中の父の若いときの思いであるという、第三者の視点から描いているかのようにして、巧みに読者を思いっきり『やるせなく』感じさせます。効果的にちりばめられた方言が、この思いとともに、読者をして若かった自分を振り返らせます。その背後に作者の感傷がたたずんでいるのです。内容、構成、文章ともに卓抜した優れた短篇です」と書いている。
 
「尾道のラーメン」は、尾道・朱華園をめぐる少年期の記憶から現在へと通じる、小説というよりは作者の個人エッセイの色彩が強い。処女作「花筺」から全ての作品を読んで好きだという檀一雄が朱華園を「おそれ入った」と絶賛したことを紹介しながら、その変わらない味を変わらない古里尾道への思いと重ねて綴っている。

 あとがきで森岡さんは、「私の郷里は尾道です。郷里を離れていつしか五十年になりました。郷里を離れて暮らすものには、心のどこかに望郷の念があるものです。そして、都会に半世紀も定住しながら、かすかな旅愁に心がつねに晒されているもののようです。どれだけの時が経ようとも、郷里を離れたものは、旅人だからでしょう。
・・・・人はこの世に生まれ落ちたからには、所詮旅人で、どこで生まれて、どこで暮らそうとも、旅愁はついてまわるものでしょう」と記している。

 
















 




2012年5月2日水曜日

別冊關學文藝 第四十四号














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2012年平成24年5月10日発行

編集人 浅田厚美  発行人 松村信人

発行所 「別冊關學文藝」事務局(澪標 内)

表紙(石阪春生) カット(柴田 健)


創作
火の女(多冶川二郎)
萌子の記念日(浅田厚美)
こころのすきま(和田浩明)
十字架とパール(竹内のぞみ)
秦准遊廓細見ー旧院の妓(その二)( 森岡久元)

書評
思考する読書(VOL.4)(今西富幸)

俳句
足の爪(川村文英)

肝斑の由来(海部洋三)                
宮址残像(山添孤鹿) 
家(松村信人)

エッセイ
万葉の歌碑を巡る 老生の明日香(第3回)(山口 毅)
イタリア・初遍路(塩谷成子)

ブログ
文学逍遥 伊奈文庫(第4回)(伊奈遊子)

文芸トピックス
(第5回エルマール文学賞選評・同人雑誌時評)

編集後記  浅田厚美  松村信人
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下記の添付ファイルは、ブログ『柳葉魚庵だより』より。

『別冊關學文藝』第四十四号について紹介していただきました。
 
太極拳の師・伊奈遊子さんから別冊「關學文藝第四十四号」が届きました。
44号というと、年2回発行とのことですので、もう22年続いているということになります。伊奈さんは5年前から会員になり、今は同人とのことです。もと関西学院大学の文芸部におられた方々が中心の同人誌ということですが、ほんとに長く続けられていて、素晴らしいです。
 今回の第四十四号の内容は5編の小説の他、詩、俳句、エッセー、 書評など。伊奈さんはご自身のブログ「文学逍遥 伊奈文庫」からの抜粋で、さまざまな本の読後感を寄せられています。その読書範囲は、大変幅広く、今回は、詩集を中心に、詩集「眼の海ーわたしの死者たちに」(辺見庸)、小熊秀雄詩集、小熊秀雄童話集、鮎川信夫詩集、定本 谷川雁詩集、長編詩 炎える母(宗左近)、沖縄戦後詩史(大城貞俊)、群青 わが黙示(辻井喬)など、その読書量にまず驚かされます。
 伊奈さんは万葉集に大変造詣が深く、万葉集講座も担当されているということですが、詩の方も大変お詳しいのではと思います。
 また、今回、私ももと勤めていた会社の大先輩が詩集を出されていたことを初めて知り(詩集 誄辞 しのびごと 池田理)感慨ひとしおでした。

菜の花の傾るる先は相模灘  川村文英

 

 
 
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2012年4月27日金曜日

黒潮の歌















2012年平成24年5月発行
発行所:編集工房ノア

著者:「別冊 關學文藝」同人 

【収録作品初出誌】
流された日々   『別冊關學文藝』36号 
                                                    2008年5月
蚤と虱      『別冊關學文藝』26号 
                                                    2003年4月
雪のふるまち   『別冊關學文藝』34号 
                                                    2007年5月
紋白蝶         『別冊關學文藝』40号 
                                                    2010年6月
黒潮の歌        『別冊關學文藝』43号 
                                                2011年11月


【 奥付に記された 著者略暦】
一九三五年神戸生まれ。関西学院大学商学部卒。
高校、大学時代ともに文芸部に所属。
一九九〇年NHKを退職後、
大阪芸術大学教授二〇〇八年退職
「別冊關學文藝」同人。

ラジオドラマの演出で芸術祭優秀賞、東京ラジオ
テレビ記者会賞(各2回)受賞。
著書
『蛍のように』
『夢のかけら』
『旅のはじまり』
『球乱』
『夜離れ』(以上編集工房ノア刊)
「球乱」で第三回神戸ナビール文学賞を受賞。



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     和田浩明著『黒潮の歌』表紙の帯コメント

   空襲で母と妹を亡くした追憶

 国民学校同級生への62年前の贖罪

 兄とも慕う従兄との雪の日の出来事。

 放送劇「黒潮の歌」の命の光。追悼歌


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著者あとがき
 
  六十一年前、まだ坊主頭だった高校一年の時、文芸部に入り
ました。はじめは短歌や詩らしきものを作っていましたが、同じ
学年で親友でもあった松井寿男君と語り合い、一年生の夏休みか
ら小説に挑戦しました。書き上げると交換し、互いに批評し合う
のが何よりの楽しみになりました。以来、大学の文芸部員として
卒業するまでの七年間、稚拙な作品を機関誌に発表し続けました。
 
 その後、放送の世界に入ってから、主にドラマの仕事でしたが、
文章といえば企画書が中心で、多くの作家の方に少しでもいい脚
本を書いて頂くのが、使命でした。ところが一九八九年、母校が
創立百周年を迎えことになり、かつて文芸部に在籍した卒業生
と現役で『關學文藝・百周年記念号』を出版しようということに
なりました。ほとんどの人たちは長いブランクがあったにも関わ
らず、予想外にレベルの高い作品が集まり評価をうけました。

 それがきっかけで、先輩の多治川二郎さん、海部洋三さんがリー
ダーとなって、翌年から『別冊關學文藝』を卒業生で出すことに
なったのです。以来、今日まで二十二年間、年に二回発行し続け、
間もなく四十四号を迎えます・。中心は昭和三十年代に、狭く汚
い部室に入り浸っていた世代ですが、この二十二年間に多くの
輩、仲間たちがこの世を去りました。

 わたしは夢を絶たれたこうした仲間たちのためにと願い、拙い
作品を書き続けています。読み返すほどに身の細る思いですが、
その中から五篇を選び一冊にまとめることにしました。五十代半
ばになって三十数年の空白を埋める作業は並大抵のことではあり
ません。しかし多くの方たちの励ましや、身に余るお誉めの言葉
によって支えられてきました。

 昨年秋、高校時代の同級生から消息不明だった松井寿男君が『
寺山修司の牧羊神時代』という本を朝日新聞社から上梓されたこ
を知らされました。若い頃の寺山修司の知られざる素顔を俳句
仲間として描いたもので、著者名は松井牧歌(俳号)となってい
ました。高校時代から松井の俳句における才能は抜群で、就職
のため上京した後も俳人、榎本冬一郎氏に師事し、やがて、俳誌
を主宰し立派な句集も出していたことを知りました。

 しかしお祝いを述べることは叶いませんでした。彼は五年前急
逝していたのです。わたしには大きな衝撃でした。しかしわたし
は、このことがきっかけとなって松井君はじめ亡くなった多くの
友人たちの霊に捧げたい一心でこの度出版することを決意しまし
た。

 最後になりましたが、学生時代からお世話になり、今回もすば
らしい表紙を描いて下さった大先輩の石阪春生画伯に深く感謝致
します。またいろいろと助言頂いた涸沢純平さん、また多くの雑
誌仲間の人たち、至らぬわたしを今まで支えてくれた妻にも心か
らお礼申し上げます。
 
              二〇一二三月一二日  和田浩明