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編集人 浅田厚美 発行人 松村信人
発行所 「別冊關學文藝」事務局(澪標 内)
表紙(石阪春生) カット(柴田 健)
創作
夫婦の来歴(大谷晃一)
秦准遊廓細見ー旧院の妓(その三)( 森岡久元)
書評
思考する読書(VOL.5)(今西富幸)
詩
それにつけても(海部洋三)
鷽替え神事空夢(山添孤鹿)
認定(松村信人)
下記の添付ファイルは、
ブログ『柳葉魚庵だより』より。
『別冊關學文藝』第四十五号について紹介していただきました。
今回も伊奈さんはブログ「文学逍遥伊奈文庫」再録を載せられていて、「このブログは六十七歳の僕が、関学文芸部に居た十八歳の頃に帰るためのリハビリテーションのようなもの・・」とありますが、私も青春時代にアーカイブするような不思議な感覚で読ませていただきました。
関学の文化祭の講演に安部公房氏を招いた時の思い出や小島輝正氏を囲む座談会で小松左京氏と同席した思い出の話など、まさに当時の文学青年たちの熱い雰囲気が伝わってくるようで興味深く拝読しました。また、終戦記念日に大佛次郎と高見順の「終戦日記」を取りだして二つを読み比べられたり、作家の番組を丹念に録画され、その感想を書かれていたり、さまざまなことを実に丹念に記憶され、記録されていることに感心しました。
また、今号には、同じ広告代理店に勤務されていた名村峻氏の小説「日々は静かに発酵し・・」が掲載されていました。
小説は、広告代理店のクリエーターであった氏が、仕事上知り合い、個人的にも親交を深めていったある化粧品・トイレタリーメーカーの宣伝課長の晩年に接した日々が懐かしさとある慙愧の思いをこめて綴られています。
病名は明かされていませんが、死が遠くない事を感じていたと思われる宣伝課長の旅の誘いに丹念に付きあいながらも、その人生の最後に思い出を残そうとする心中に気づくことのなかった日々が、著者の中で文字通り「静かに発酵してくる」様を静かに描いている味わい深い作品だと思いました。
神様が会わせた人と秋過ごす