『別冊 關學文藝』

1989年(平成元年)関西学院創立百周年に、關學文藝部OBにより『關學文藝 100周年記念特別号』が発行されたことを契機として、翌年『別冊 關學文藝』が誕生。文藝部OB以外の同人・会員も加わり現在に到っています。※発行所=「別冊關學文藝」事務局・第41号より澪標内   ※ 入力=伊奈忠彦『別冊關學文藝』同人・關學文藝部OB会会長(平成28年5月より、和田浩明前会長より引き継ぐ)                         『別冊關學文藝』購読会員(定期購読者)募集中。2年間前払計4冊分¥5000。詳しくは発行社:澪標 までお問合せください。

2017年5月23日火曜日

別冊關學文藝第五十四号

































2017年平成29年5月10日発行

編集人    浅田厚美   発行人 松村信人
発行所 「別冊關學文藝」事務局(澪標 内)
表紙(石阪春生)    カット(柴田 健)
 
 
 
創作  
婆娑羅の母     (浅田厚美)
室津のキツネ       (森岡久元) 
雀蜂気分         (美馬 翔)
敗戦の日まで             (和田浩明)
孤老の世界      (江竜喜信)       
        
  

東大寺南大門金剛力士像体門(山添孤鹿) 
ソピー          (松村信人)
うそっぱち        (中嶋康雄) 
不在                                      (中嶋康雄) 
路地                     (中嶋康雄)
水飲み鳥                                     (中嶋康雄) 
枇杷の庭                                     (中嶋康雄) 

 

ブログ「文学逍遥 伊奈文庫」再録(抄)

             (第14回)        伊奈遊子(ゆうし)


エッセイ
わたしの映画偏歴     (名村峻)
トランプタワー      (塩谷成子)
 
 
文芸トピックス
  
編集後記  浅田厚美  松村信人
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 
 

(2017年平成29年7月15日号)
「図書新聞」同人誌評(志村有弘

森岡久元「室津のキツネ」評 

森岡久元の「室津のキツネ」(別冊關學文藝第54号)が面白い。

室津の旅籠のあるじ野本仙山は、人をかつぐ癖があった。江戸から

長崎へ行く大田南畝が仙山の旅籠に宿泊することになり、南畝を尊

敬する仙山は、そのことを喜びながらも、室津のキツネが修験者を

誑かした話をし、修験者から貰った護符を見せ、その匂いを南畝に

かがせるのだが、それは仙山一流の人をかつぐ行動。軽妙な文章、


随所に見せる洒落が巧み


これも一つの名人芸というべきか。














 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 












 

2017年5月8日月曜日

埋門 うずみもん




































































2017年平成29年4月発行
発行所:澪標みおつくし
著者 :森岡久元 (別冊關學文藝 同人)
作品初出誌『別冊關學文藝』
   中橋稲荷の由来  第46号(平成25年)   
   埋門       第52号(平成28年)



逃げろ、
逃げ切れ、
甲州街道!
捕まれば
死罪の
男と女
死んでも
この恋捨てられぬ

江戸犯罪史実から掘り起こされた時代小説の傑作
圧倒的迫力の狐憑き裁判を描く『中橋稲荷の由来』
伝馬町牢抜け男女の哀切な恋の逃走劇『埋門』

時代小説の醍醐味を
たっぷり堪能できる二編の注目作品





2017年平成29年5月10日(水)
山陽日日新聞に、
毛利和雄氏(元NHK解説委員)の
書評が掲載されました。






 

















書評寄稿 毛利和雄さん
森岡久元著「埋門」を読んで
尾道市出身の作家森岡久元さんの新作。
江戸犯罪史から掘り起こした傑作時代
小説2編から構成される。

 「中橋稲荷の由来」は、
ある日突然商人の妻が狐
憑きにあう。亭主は、妻の
災厄を取り除いてもらお
うと御嶽山で修行した祈
祷師、紺屋善兵衛に依頼
し、そのお蔭で下総八幡
の舟橋大明神から遣わさ
れた狐を追いはらうことが
できた。ところが、妻に憑
いていたのは舟橋だけで
はなかった。もう一匹の
狐中橋も追い払ってほし
いと頼むが、善兵衛は言
を左右にして応じようと
しない。これはおかしい
と、夫は町役人に相談し、
善兵衛を奉行所に訴え
る。町奉行所での狐憑き
裁きの結果は如何に。こ
の後は謎解きのネタを明
かしても悪いので省略す
るが、奉行所での狐憑き
の裁きは、われわれ現代
人には経験できなくなっ
た世界が圧倒的迫力で描
かれる。

 表題作「埋門」は、湯屋
で他人の衣類を盗んだ廉
で伝馬町牢屋敷に送られ
タバコ屋のおつる。当
年23歳。男女の牢はもち
ろん厳重に隔てられてい
るのだが、ある時ふと三
十すぎの大宮無宿庄次郎
を見かける機会があり、
二人は恋に堕ちる。抜け
駆けは死罪。その禁を犯
し、二人は牢抜けし甲州
街道に逃避行を図った。
捕まれば死罪の男と女の
哀切な恋の逃走劇を描
く。
 埋門とは城郭の石垣、
築地、土塀などの下方を
くりぬいて造った小門、
穴門のことで、伝馬町牢
屋敷には、三か所の埋門が
あった。そのうち一つは、
役所側の敷地と死罪場が
ある北側の庭とを隔てる
練塀に築かれていた。捕
らわれたおつるは、この
埋門をくぐって短い生涯
を終えたのである。
 時代小説、エンターテ
イメント小説に円熟し
た境地をみせる森岡さん
の最新作だが、この2作
は江戸時代の犯罪、裁判
記録の中から題材を得て
描かれている。あとがき
の中で森岡さんは、「一枚
一枚時代の扉を開きなが
ら、そこに確実に生きた
人間の姿をもとめて、過
去へと分け入ってゆく作
業は、時代小説を書く醍
醐味だとあらためて感じ
ています」との作家の心
境を披露している。発行
は澪標(大阪市)、130
0円。



2017年平成29年6月18日(日)
中国新聞 「読書」の頁の中の
「郷土の本」のコーナーで、
『埋門』の紹介記事が掲載されました。


江戸期の事件 光当てた2編

 尾道市で幼少から青年期までを過ごした作家森岡久元さん
(76)=東京都=が時代小説「埋門(うずみもん)」を
刊行した。江戸期の犯罪、裁判記録を掘り起こし、そこに登
場する庶民らの物語2編を収めている。
 表題作「埋門」は、江戸・伝馬町牢屋敷の獄中で恋に落ち
た男女が主人公。いち早く出獄した女と、脱走を果たした男。
逃避行を図りながらも捕まって死罪になる悲哀を描く。もう
は1編の「中橋稲荷の由来」も江戸の町が舞台。商家の妻に
取りついたキツネを巡る不可思議な騒動と、町奉行所の裁き
が軽妙に展開する。
 森岡さんは会社経営を経て、高校、大学時代に励んだ小説
執筆を再開。尾道が舞台の作品も多い。今回の時代小説は、
古記録を調べるだけではなく、関係地を訪ねるなどして紡い
だ。「過去に分け入り、実際に生きた人々の姿を求めていく
妙味を楽しんでもらえれば」と話す。
1404円。澪標(大阪市中央区)。










2017年1月5日木曜日

枯れ木に花を咲かせましょー文学逍遥 伊奈文庫




本の帯は、明日香村犬養万葉記念館館長   岡本三千代氏。

 
2015年平成27年10月発行
発行所:澪標みおつくし
著者 :伊奈遊子〈ゆうし) (別冊關學文藝 同人)
作品初出誌『別冊關學文藝』
第41号   第42号   43号   
44号    第45号        第46  
47号    48             第49号   
第50号  (第51号) 

 
第1回
『別冊關學文藝』第41号 2010年平成22年11月発行)     
第2回
『別冊關學文藝』第42号 2011年平成23年 5月発行)
第3回
『別冊關學文藝』第43号 2011年平成23年11月発行)
第4回 
 『別冊關學文藝』第44号 2012年平成24年 5月発行)
第5回
『別冊關學文藝』第45号 2012年平成24年11月発行)
第6回 
『別冊關學文藝』第46号 2013年平成25年 5月発行)
第7回
『別冊關學文藝』第47号 2013年平成25年11月発行)
第8回 
 『別冊關學文藝』第48号 2014年平成26年 5月発行) 
第9回 
 『別冊關學文藝』第49号 2014年平成26年11月発行)
第10 は
 『別冊關學文藝』第50号 2015年平成27年 5月発行)
及び又吉直樹「火花」について記述した部分のみ
 『別冊關學文藝』第51号 2015年平成27年11月発行)より採録。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・





















 
 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

大阪府泉北ニュータウン地域の

コミュニティ紙「泉北コミュニティ」に

取り上げられた記事。









・・

又吉直樹などを取り上げた
読書ブログを本に
太極拳講師の伊奈さん
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 みずき台などで太極拳講師をしている伊奈遊子(ゆうし)さん
(本名は伊奈忠彦)が、長年つづってきたブログを本にした『枯
木に花を咲かせましょ/文学逍遥 伊奈文庫』を出版した。古希
迎えた”文学青年の伊奈さんが、夏目漱石、村上直樹などから
話題の又吉直樹まで、幅広い作家を取り上げてきた読書ブログの
エッセンスが詰まった一冊になっている。
 伊奈さんは関西学院大学卒業。在学中は文芸部に所属、禅秀夫
の筆名で小説を発表していた。定年退職後の08年、関学文芸部
OBが25年前に立ち上げた同人誌『別冊關學文藝』に参加。何
を書こうかと考えた時、思い浮かんだのが文学について改めて考
えてみる読書日記。そこで、ブログ「文学逍遥 伊奈文庫」を立ち
上げ、そこに記した中で主だったものを同人誌に連載していくこ
とになった。
 今回出版の『枯れ木に花を咲かせましょ』は、この5年間に連載
したものをまとめた。同人誌の仲間が作品を何冊も世に問う活躍を
する姿に触発されてきた伊奈さんだが、昨年10月に肺がんの確率
が90%という告知を受けた(後にがんではないと判明)ことをき
っかけに、かねて勧められていた出版を決意。
 小説だけでなく、戦後詩人も取り上げる幅広い内容に加えて、漱
石臨終の様子など作家のエピソード、自身の作品にまつわるエピソ
ードも入れた。難しい文学評論のようにせず読みやすく、そして読
んでいなくてもその作品を詠んだ気にさせる内容になっている。
定価2800円+税。光明池の天牛書店で発売中。
問い合わせは出版元の澪標(みおつくし)06・6944・0869、
(浅利)
「泉北コミュニティ」(2016年平成28年1月21日発行)
 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


下記の添付ファイルは、

ブログ『柳葉魚庵だより』より。

『枯れ木に花を咲かせましょー文学逍遥 伊奈文庫

について紹介していただきました。

 



枯れ木に花を咲かせましょ

2015.10.17 Saturday

 太極拳の師、伊奈遊子さんが本を出されました。同人誌「別冊
學文藝」に掲載された10回分をまとめた文藝ブログには、
「枯れ木に花を咲かせましょ」という何ともユーモラスな伊奈さ
んらしいタイトルがついています。
 
 改めて読んでみると、小説はもちろんのこと、詩集、俳句、哲
学に至るまで、実に幅広く、深く読み込まれていて、しかも著者
からの抜粋や伊奈さんの案内が実に興味深いので、そんなに面白
い本だったのかと、新しい発見があって、推理小説のように、つ
いつい伊奈ワールドに引き込まれていきます。

 取り上げられているのは、私たち団塊の世代の青春が投影され
た作品が多く、読んでいると、読書に勤しんだ自らの学生時代な
どが思い出されて、何とも言えない気持ちになるのですが、アナ
ログとデジタルというか、つくづく今どきの若者青春とは隔世の
感があります。

 そしてまた、単なる評論ではなく、伊奈さんがブログを書かれた
時の夕刊の記事だとか、出来事とか、行動が織り込まれているの
で、期せずして数十年の伊奈版クロノジーになっています。

 その意味で、改めて「枯れ木に花を咲かせましょ」というタイト
ルを振り返ってみると、忘れ去られようとしている過去の文学の名
作たちに、花咲かじいさんのように、伊奈さんがスポットをあて、
花を咲かせている様子が浮かびます・・・。

父帰る栗ご飯ほのかに香る









 
 










 

2017年1月3日火曜日

我が道を往く
























2015年平成27年9月発行
発行所:澪標みおつくし
著者 :多治川二郎(別冊關學文藝 同人)
作品初出誌『別冊關學文藝』第37号第38号に連載
   (第37号 2008年平成20年11月発行)     
    (第38号 2009年平成21年    5月発行)      
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

2009年9月7日、著者と本作品の紹介が

「大阪日日新聞」に掲載されました。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
連載特集:「街を奏でる人」

人間救済の思い込め 

企業経営から文筆の道へ

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 外食産業などを中心に数多くの事業を起こし、35歳ですでに20
ほどを経営。40代には当時珍しかったシチュー専門のレストラン
を開き、大阪、東京などに10店舗、展開させたこともあった。
 
 「既成概念を壊し、人がやっていないことをするのが身上」。実現
はしなかったが働く人も宿泊者もすべて女性のホテルを企画した。持
ち前の発想力を生かして、企業コンサルタントを無料でしていたこと
もあった。

 しかし、企業家としては60代後半から徐々にリタイア。高校から
大学まで注力してきた文筆の道に入った。新たな舞台でのテーマも「
既成概念の破壊。文章が美しい作家も今はいるが、冒険しているとな
るとどうだろうかと思う」。

 この4月、原稿用紙1千枚に及ぶ「我が道を往く」を完成。母校で
ある関西学院大OBらでつくる雑誌「別冊關學文藝(かんがくぶんげ
い)」の37号と38号に掲載した。
 
 内容は主人公・田宮吾郎が終戦直後から現在まで、さまざまな人と
の出会いを繰り返し成長していく物語。多くに事業を手がけていく姿
は多治川さん本人と重なる。
 
 初恋の女性でヒロインの杉崎凛子をはじめ、多くの女性が登場し、
恋愛小説としても読める。また時代時代の様子が事細かに描かれ、
一人の青年の姿を通した歴史の流れも垣間見える。
 
 「何か自分のことをまとめていこうと考えたのが執筆のきっかけ。
これだけ長い作品を書けるのも最後だろう。主人公・吾郎と凛子の
生き方を通して、人間救済の思いを込めた」と話している。

  福島区海老江、75歳。