関西学院創立百周年(1989年平成元年)に、關學文藝部OBにより『關學文藝 100周年記念特別号』が発行されました。これを契機として、翌年『別冊 關學文藝』が誕生。以後年2回の発行を続け、関学文藝部OB以外の同人・会員も加わり、現在(令和5年11月10日)第67号を発行。 編集:浅田厚美 発行者=伊奈忠彦(同人代表)

2022年8月25日木曜日

『別冊關學文藝』第64号掲載の         一藁英一「銀色の遠景 萩子」が         大阪文学学校「小説同人誌評」に           取り上げられました。


『別冊關學文藝』第64号掲載、一藁英一「銀色の遠景 萩子」が

 大阪文学学校の「第34回 小説同人誌評」(評者:細見和之)に

取り上げられました。

※評者の細見和之氏は大阪文学学校校長。詩人。京都大学大学院教授。
 2020年に、詩集「ほとぼりが冷めるまで」(澪標)で第58回歴程賞受賞。

https://osaka-bungaku.sakura.ne.jp/wp/wp-content/uploads/2022/08/fa9999a24842fc2ce5d559b02a4f700c.pdf

https://www.osaka-bungaku.or.jp/ (大阪文学学校HP)


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 『別冊關學文藝』第64号では一藁英一「銀色の遠景 萩子」を味わ

い深く読んだ。

 五七歳の「私」は「萩子」というすこし年下の女性と有馬温泉に向か

って電車に揺られている。「私」は萩子が働いているクリーニング店で

彼女と出会った。預けたスーツに映画のチケットの半券が残っていて、

そこからときおり彼女と映画を話題にすることになり、二月後には好

きな映画へ一緒に出かけ、食事も行う仲になる。 お互いに離婚歴があ

り、いまはともにひとり身。そこで「私」は思いきって温泉旅行を彼女

に持ちかけたのである。乳癌の手術も受けたという彼女はとりあえず同

意してくれたのだが・・。

 その恋の顛末を描くことで、初老の男女の心の機微が、古風と呼べる

ほどに端正な文章で、丁寧に、また淡々と記述されている。

(細見和之)

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