関西学院創立百周年(1989年平成元年)に、關學文藝部OBにより『關學文藝 100周年記念特別号』が発行されました。これを契機として、翌年『別冊 關學文藝』が誕生。以後年2回の発行を続け、関学文藝部OB以外の同人・会員も加わり、現在(令和5年11月10日)第67号を発行。 編集:浅田厚美 発行者=伊奈忠彦(同人代表)

2017年1月3日火曜日

我が道を往く
























2015年平成27年9月発行
発行所:澪標みおつくし
著者 :多治川二郎(別冊關學文藝 同人)
作品初出誌『別冊關學文藝』第37号第38号に連載
   (第37号 2008年平成20年11月発行)     
    (第38号 2009年平成21年    5月発行)      
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2009年9月7日、著者と本作品の紹介が

「大阪日日新聞」に掲載されました。


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連載特集:「街を奏でる人」

人間救済の思い込め 

企業経営から文筆の道へ

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 外食産業などを中心に数多くの事業を起こし、35歳ですでに20
ほどを経営。40代には当時珍しかったシチュー専門のレストラン
を開き、大阪、東京などに10店舗、展開させたこともあった。
 
 「既成概念を壊し、人がやっていないことをするのが身上」。実現
はしなかったが働く人も宿泊者もすべて女性のホテルを企画した。持
ち前の発想力を生かして、企業コンサルタントを無料でしていたこと
もあった。

 しかし、企業家としては60代後半から徐々にリタイア。高校から
大学まで注力してきた文筆の道に入った。新たな舞台でのテーマも「
既成概念の破壊。文章が美しい作家も今はいるが、冒険しているとな
るとどうだろうかと思う」。

 この4月、原稿用紙1千枚に及ぶ「我が道を往く」を完成。母校で
ある関西学院大OBらでつくる雑誌「別冊關學文藝(かんがくぶんげ
い)」の37号と38号に掲載した。
 
 内容は主人公・田宮吾郎が終戦直後から現在まで、さまざまな人と
の出会いを繰り返し成長していく物語。多くに事業を手がけていく姿
は多治川さん本人と重なる。
 
 初恋の女性でヒロインの杉崎凛子をはじめ、多くの女性が登場し、
恋愛小説としても読める。また時代時代の様子が事細かに描かれ、
一人の青年の姿を通した歴史の流れも垣間見える。
 
 「何か自分のことをまとめていこうと考えたのが執筆のきっかけ。
これだけ長い作品を書けるのも最後だろう。主人公・吾郎と凛子の
生き方を通して、人間救済の思いを込めた」と話している。

  福島区海老江、75歳。