関西学院創立百周年(1989年平成元年)に、關學文藝部OBにより『關學文藝 100周年記念特別号』が発行されました。これを契機として、翌年『別冊 關學文藝』が誕生。以後年2回の発行を続け、関学文藝部OB以外の同人・会員も加わり、現在(令和5年11月10日)第67号を発行。 編集:浅田厚美 発行者=伊奈忠彦(同人代表)

2011年11月21日月曜日

尾道物語 姉妹編 十八歳の旅日記 (森岡久元)





















(発行所=澪標みおつくし)
2010年平成22年9月発行
著者は『別冊關學文藝』『姫路文学』
『酩酊船』同人

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【 収録作品 初出誌 】


ストローハットの夏 『別冊關學文藝』第三十九号

ペリット          『別冊關學文藝』第三十二号

十八歳の旅日記   『別冊關學文藝』第四十号集





2010年10月2日(土)

山陽日日新聞に本書が取り上げられ

紹介されました。


森岡久元さん 頼山陽の「叫び」現代に

 尾道物語・姉妹編

 小説『十八歳の旅日記』上梓


    幼少期から青年期を尾道で育った作家、森岡久元さ
(東京都)が新しい小説集『十八歳の旅日記』を澪標
(大阪市)から上梓した。これまで刊行した「尾道物
語」の姉妹編で、自身10冊目の小説となる。
                   【幾野伝 
 自分に悩む男子高校生が少し不思議な体験から自信を
持とうとする青春物語「ストローハットの夏」、都会で
姉と弟のこれまた不思議な冒険ストーリー 「ペリット」
、表題作の「十八歳の旅日記」の3篇を収める。


 「十八歳の旅日記」は、尾道にもゆかりの儒学者で詩
の頼山陽(頼久太郎)が書き残している
絵日記「東遊
漫録」をめぐる物語。同じ探求心で集う男が、18歳
の時にめて広島から竹原、糸崎、尾道、神辺などを通
って江戸まで旅した山陽の心情を手繰り寄せながら、
こに秘められた青春の葛藤や真実に迫り、現代社会を焙
り出そうと試みた労作。

 1940年生まれの森岡さんは、母親の古里尾道に
4歳の時から暮らし、久保と土堂小学校、長江中、
尾道商業高校に学んだ。学当時、活発だった文芸部
の同人誌に小説を書たのが始まり。関西学院大学に
進学し、同人誌「姫路文学」に参画、本格的に創作
をスタートさせたが、卒業と同時に就職、その後、
会社を興して経営者になったことから、長年筆を休
んでいた。
  
 15年ほど前に休刊していた「姫路文学」が復
され とを切っ掛けに書くことへの情熱が再
湧き上がり、 ンピュータ関連部品の販売会社
トップを務めながら同人 誌などへの執筆を続け
いる。今回収載した3篇も同人誌 「別冊關學文藝」
に初出誌した作品。

 尾道での少年から青年期の体験、思い出をもとに描
『尾道渡船場かいわい』が2000年の第7回神
戸ナビー文学賞を受賞、その後も『ビリヤードわく
わく亭』『尾道物語・純情篇』『サンカンペンの壷』
『尾道物語・幻想篇』『恋ヶ窪』と毎年1、2冊ずつ
コンスタントに世に送り出している。

 後書きで「現代の少年たちと同様に、二百年前の頼
苦しんだ、心の闇からの叫びが秘められている
のではないかと。その隠された真実を推理しつつ、わ
たしの故郷である尾道をめぐる、現代の物語として書
きました」と森岡さん。電話での取材には、「会社の
仕事からも離れ、やっと自分の時間が持てるようにな
ったので、これからっと精力的に書いていきたい」
と話していた。 定価本体は1600円、啓文社各店に
も平積みされている。